老人ホームの夜勤専門要員として、たった一人雇われた私(男46歳)。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
午前6時、室田鉄二さんの様子を見に行くと顔がやけに赤い、全身に発疹も出ている。熱を測ってみると39度あり、口からは粘りの強い濃緑色の痰があふれ出ていて、枕カバーを汚している。ぐったりとベッドに横たわったまま、呼吸が浅い。
これらの症状は過去にも何度か経験済みのものであるが、最近は特に頻度が増している。2週間前の医師の診立てでは、「脳萎縮はあるものの、内科的な疾患はない」との事であった。2~3ヶ月前まであんなに体格の良かった室田さんが、今ではすっかり痩せてしまって、オムツはゆるゆる、足は棒切れのように細い。
出勤して来たホーム長が室田さんの顔を覗き込んで、
「室田さん、もう死ぬんじゃないのかぁ~?」と独り言とも、私への問いかけともとれる言葉を言った。私は
「病院、連れてゆくんですか?」と尋ねたが、
「もう・・、いいんじゃないか」とホーム長。
病院には連れて行かない、死ぬなら死んでもいい、という事か。
室田さんのご家族も、以前から「全て、施設の判断に任せます」との事なのだ。
PR
★ 投稿年月
★ 最新記事
(01/14)
(09/16)
(03/15)
(02/27)
(02/17)
(02/06)
(01/29)
(01/14)
(01/09)
(01/05)
(12/30)
(12/25)
(12/01)
(11/12)
(11/07)
(10/30)
(10/25)
(10/22)
(09/15)
(09/01)
(08/03)
(07/20)
(06/19)
(04/09)
(02/27)
★ プロフィール
HN:
井森 勝男
年齢:
64
性別:
男性
誕生日:
1960/05/05
職業:
夜間専門の介護職員
自己紹介:
某著名企業の総合職であったがほんの些細なことから退職、現在は年収150万で老人ホームの介護職員(夜間専門のパートタイマー)として働いている。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
★ 最新コメント
[06/23 NONAME]
[04/25 ちい]
[04/23 ジジイ]
[04/01 NONAME]
[03/21 名無し]
[02/16 ]
[01/18 NONAME]
[01/15 ぎょたろう]
[07/31 きり丸]
[12/01 フリーター]
[08/28 NONAME]
[07/21 NONAME]
[02/11 数川 朗]
[12/01 bertradest]
[12/01 carilynneh]
[12/01 attewaterc]
[10/12 NONAME]
[10/04 NONAME]
[09/25 hiro]
[09/22 マサ]
[09/21 NONAME]
[09/21 NONAME]
[09/16 NONAME]
[09/16 NONAME]
[07/10 ヒヨッ子]
★ ブログ内検索