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老人ホームの夜勤専門要員として、たった一人雇われた私(男46歳)。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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午後8時半から9時にかけては排便の手助けが必要な方々のオムツを次々に交換して、ベッドまで誘導する時間帯だ。最後の一人をやる前に、自分の夕食を電子レンジにかけた。全て終わらせてから、ゆっくりと夕食を採ろうと言う作戦だ。そして最後である稲垣清さんに取り掛かる。

  稲垣さんは、認知症が重度で、会話が全く成り立たないばかりか、大小便は垂れ流し状態で、一番手のかかる人だ。ただし、立って歩くことはできるので、オムツ交換のときはトイレの手すりにつかまってもらって、立位で行う。こちらに尻を向けた状態でズボンを下ろすのだ。このとき、運が悪ければ大便をしているのだが、ほとんどは小便のみで、夜間は特にそうだ。
 
  この日も同じ手順でズボンを下ろし、オムツのテーピングをはずす。多量の尿を吸ったオムツはズドッと床に落ちる。そして新しいオムツを稲垣さんの足の間から、股間を包み込むようにセットしようとしたその瞬間、
「ぶぷっ、ぶりぶり」と排便がはじまった。「うわー」と私。
「ぶりぶりっ、ぶりもり、むりもりっ」
肛門から出る大便が私の眼前30
cmに映し出される。
慌てて、新しいオムツで押さえ込むが受けきれず、こぼれ落ちる大便は私の手首を直撃した。さらに、稲垣さんの下げたズボン、床へとボタボタと落ちる。
 
 
  全てを片付け、ふうっと息をついて座敷に寝転ぶ。もはやレンジで暖めておいた夕食を食べる気にはなれず、この日は早めに布団に入る。
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★ プロフィール
HN:
井森 勝男
年齢:
63
性別:
男性
誕生日:
1960/05/05
職業:
夜間専門の介護職員
自己紹介:
某著名企業の総合職であったがほんの些細なことから退職、現在は年収150万で老人ホームの介護職員(夜間専門のパートタイマー)として働いている。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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