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老人ホームの夜勤専門要員として、たった一人雇われた私(男46歳)。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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 午後7時、私が出勤すると、入居者の平田容子さんがコートとマフラーを身につけて、玄関のイスに座っていた。平田さんは、年齢76~77歳のメガネの似合う、上品な感じの女性だ。

私    「平田さん、こんばんは、外は寒いですよ」
平田   「うちの娘、何時に迎えに来るんだろ?」
私    「うぅ~ん、すみません、まだ連絡がないんですよ。
             わかったらすぐ、お教えしますね」
平田   「・・・」
 
 平田さんが家に帰ることはない。子供たちから見限られてここに来ているのだ。ここに入所してから3ヶ月、毎日、夕方になると身支度をして玄関のイスに腰掛けるのだ。
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★ プロフィール
HN:
井森 勝男
年齢:
64
性別:
男性
誕生日:
1960/05/05
職業:
夜間専門の介護職員
自己紹介:
某著名企業の総合職であったがほんの些細なことから退職、現在は年収150万で老人ホームの介護職員(夜間専門のパートタイマー)として働いている。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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