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老人ホームの夜勤専門要員として、たった一人雇われた私(男46歳)。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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mimawari.jpg  ティッシュペーパーの箱には色々な物が入る。
私が朝起きて、まず確認するのが、トイレ、居室、そして食堂のテーブルに一個づつ置いているティッシュの箱だ。徘徊老人達は、深夜の徘徊途中に色々な物をさわるのだが、一番の人気はティッシュの箱なのだ。
 
ティッシュの箱の中によく入っているのが、テレビやビデオのリモコン・ボールペン・鼻をかんだと思われる紙・痰・その他各種ゴミ・ときにはなぜか、信じられないかもしれないが、大便が入っていたりする。オムツから掴み出したものを入れるのだ。
 
  五日前には私の携帯電話が入っていた。私が仮眠している時に、枕元に置いてあるものを持って行ったのだ。携帯電話だけは触られたくなかった。私自身よく使う物だし、こだわって選んだお気に入りの品でもあった。
大便を掴んだかもしれないその手で、深夜、じっくりといじられた事だろう。
どんよりとした気持ちで、消毒用アルコールと塩素で念入りに拭いた。

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★ プロフィール
HN:
井森 勝男
年齢:
64
性別:
男性
誕生日:
1960/05/05
職業:
夜間専門の介護職員
自己紹介:
某著名企業の総合職であったがほんの些細なことから退職、現在は年収150万で老人ホームの介護職員(夜間専門のパートタイマー)として働いている。認知症老人たちと私の、夜ごと繰り返される狂乱の宴。仕事でなければ決して近寄りたくないこの現実。介護する側、される側の悲哀。きれいごとの通用しないこの館で、今夜も私は試される。
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